2018年6月16日(土)、午後2時開演で所沢中央公民館にて所沢文化フォーラム主催の第7回所沢ファミリーコンサートが開催されました。前売り券は、売り切れましたが、当日券としても6席確保し会場のホールは定員350席がほぼ満席となりました。
今回は、ピアノ伴奏の西澤ことはさん、テノールの小島常弘さん、ソプラノの寺田千絵美さん、メゾソプラノの進美沙子さんの4名の出演者に加えてバリトン歌手の吉田敦さんを迎えての多彩なプログラムとなりました。
オープニングは、「乾杯の歌」を全員で、「グラナダ」を小島さんのソロで幕を開けました。
第1部は、昨年のファミリーコンサートのお客様からのリクエストに答えて日本の歌として「花の街」を始め5曲を小島さんの深みのあるテノールや透き通ったソプラノで歌いあげ、盛大な拍手を受けました。
第1部の後半は、アヴェマリア特集としてシューベルト、カッチーニなど6名の作曲家によるそれぞれのアヴェマリアが披露されました。特に西澤さんの左手だけによるピアノ独奏は、今まで見たこともない素敵な演奏でした。また、バリトンの吉田さんが加わることでアヴェマリアも作曲家や歌手による違いが浮き彫りとなり、特徴あるプログラムとなりました。
休憩を挟んで、第2部の歌劇「カルメン」のハイライトでは、西澤さんの前奏曲がこれから始まる歌劇の予兆を盛り上げました。6幕ある名場面は場面ごとに司会の盛山さんの味わい深い語りで導入され、お客様にとって身近で分かり易いカルメンとなりました。特に吉田さんが観客席から現れ、張りのあるバリトンの声で歌い始めた時は、観客からは驚きの声と拍手が沸き上がり、大きく盛り上がりました。
最終場面ではカルメン役の進さんが倒れ、ホセ役の小島さんが覆いかぶさった時には、客席からは、ブラボーやブラビーとの声援が飛び交って興奮は頂点に達しました。
アンコール2曲を進さんと寺田さんが歌い、加えて最後に出演者全員でのマイウェイが披露され終了しましたが、観客の皆さまの興奮は冷めやらず、司会の盛山さんから終了の挨拶があるまで惜しみない拍手が鳴りやみませんでした。
(文章:S51 南 博幸)
プログラム
オープニング
「乾杯の歌」 全員
「グラナダ」 小島
第一部
日本の歌
1 花の街 作詞:江間章子 作曲:團 伊玖磨 進
2 さくら横ちょう 作詞:加藤周一 作曲:別宮貞雄 寺田
3 鉾をおさめて 作詞:時雨音羽 作曲:中山晋平 小島
4 ゴンドラの歌 作詞:吉井 勇 作曲:中田喜直 進
5 初 恋 作詞:石川啄木 作曲:越谷達之助 寺田
アベマリア特集
1 アルカデルト 作曲 全員
2 カッチーニ 作曲 西澤
3 シューベルト 作曲 小島
4 マスカーニ 作曲 進
5 ルッツイ 作曲 吉田
6 グノー 作曲 寺田
休 憩
第二部
ビゼー作曲 歌劇「カルメン」ハイライト
・前奏曲 西澤
・ハバネラ「恋は、言うことを聞かない小鳥」 進
・「聞かせてくれよ、おふくろの話」 寺田・小島
・「諸君の乾杯を喜んで受けよう」 吉田
・「お前の投げたこの花を」 小島
・「何が出たって怖くないわ」 寺田
・「あんたね?~おれだ!」 進・小島
<出演者> (左から)
小島常弘 (テノール)
進 美沙 (メゾ・ソプラノ)
寺田千絵美 (ソプラノ)
吉田 敦 (バリトン)
西澤 ことは(ピアノ)