三遊亭究斗独演会を終えて
- 文化フォーラム
- 10月25日
- 読了時間: 3分
去る10月22日(水曜日)新所沢公民館ホールにおきまして所沢フォーラムは三遊亭究斗師匠演会を開催しました。あいにくの雨でしたが、有難いことに傘をさしながらも73名の方が集まって頂きました。

定刻になり篠塚会長が登壇し、会場に足を運んで頂いた御礼と所沢文化フォーラムは今後も皆さまに喜ばれる企画を提供する旨及び今回は劇団四季に在籍中各種ミュージカルに出演経験があり、その後落語界に転身。ミュージカル俳優で落語家と。
やや想像しにくいプロフィールを紹介し、いよいよ三遊亭究斗師匠の登壇です。
究斗師匠は舞台からあそこの席が空いていると丁寧に案内して下さり、また会場でアラームが鳴っても少しも慌てることなく自分の話にアラームは大切だと自然な形で話に織り込み、鳴らしたお客さまに心の負担かけずに話を進めていきます。
話の内容も地元のお客さまに添うように所沢の良い所もちりばめてお客さまの気持ちを一つにするかのように。
究斗師匠は随所に劇団四季時代を思わせる美声を披露し会場内を魅了しました。
特に懐かしのテネシーワルツを歌い始めると、青春を過ごしたお客さまが多かったせいなのか暫し想いを馳せるように聞き入っていましたのは印象的でした。
古い時代だけでなくNHKの朝ドラの「ばけばけ」、「あんぱん」も織り交ぜてお客さまを飽きさせないように話をつなぎ、究斗コンダクターの指揮のもと会場のお客さまの拍動がひとつにシンクロしたと思われたその時師匠十八番の「一口弁当」他一話の話に移りました。
「一口弁当」は昔から,そして依然としてなくならない「いじめ」をテーマにした作品です。母親が忙しく働いてるので学校に持っていく弁当を作ってくれと言えない子供がそのことでいじめっ子たちから毎日いじめられてる。その子にしてみれば誰にも相談できず八方塞がりの状態。ひょんなことからある老人と知り合い、その老人に促されるまま話をすると母親思いの良い子と認めたと後、ポジティブシンキングの提案、すなわちみんなの前でお弁当を一口貰う代わりにみんなの役に立つというものでした。奇天烈とも思える提案を徐々に浸透したのは「ありがとう」の一言でした。最初の一口は少食の女の子の卵焼き。「ありがとう」と彼は言い、次の一口をくれた子にも「ありがとう」と続きました。やがて想像していなかった立派なそして美味しそうな「一口弁当」が目の前にありました。
2話目も定年後家族に相手にされなかった初老のおやじが感謝の気持ちをもって「ありがとう」を使っていたらいつの間にか孫、子供、そして奥さんいも受け入れらたという人情話。この2話の間、「ありがとう」を究斗師匠は何回も連呼した後、今度は会場に向かってさあご一緒にと「ありがとう」力強く言い、まだまだと再度両手を振りかざし大声で「ありがとう」更に大声で「ありがとう」、師匠、会場のお客さまと一緒に「ありがとう」の熱烈コール。まさにアイドルのコンサートのような熱気に包まれる中、会場が満席かのような万雷の拍手喝采を浴びながら、深く一礼する三遊亭究斗師匠の姿がありました。
最後に究斗師匠が壇上からお客さま及びスタッフ全員をバックに自撮り写真を撮るというほどいつのまにか舞台と会場が一体となり興奮冷めやらずの余韻を残したまま終了となりました。独演会が賑々しくも終了し、出口で師匠及びスタッフ全員でお客様をお見送りしましたが一様に楽しそうな笑顔の様子をみてようやく筆者は安堵を覚えました。
記事:岩坂 保明(S51商)
写真:南 博幸(S51法)

































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