去る7月6日(金)に所沢文化フォーラム主催で新所沢ホールにてフジテレビキャスター、須田哲夫氏による講演会が開催されました。当日は、雨にも関わらず会場には30分以上前から多くのお客様が来館されました。
申し込みを電話で受けた盛山さんは、50名ほどからの申し込みに対して丁寧にお断りをしなければならず大変苦労されたようです。
記
講師 :フジテレビキャスター 須田哲夫氏
『テレビと私』
日時 :2018年7月6日(金)午後2時~4時
場所 :新所沢公民館 ホール 定員200名
来場者 :184名
司会者の盛山さんから、本講演会は所沢文化フォーラムの事務局員からの要望もあり、フジテレビの後輩である須田氏にご依頼したと説明がありました。
その後、須田氏の簡単なプロフィールが紹介され須田氏が壇上に登場しました。
来場されたお客様に対して感謝の言葉から始まりました。当初、講演後事務局員との打ち上げ会に参加する予定でありましたが、突然の麻原彰晃の死刑により特番が組まれることになり、終了後帰ることとなり残念がっていました。
次に須田氏が出演した報道2001での2つの話がありました。
1つ目は、サーフィンを体験した時の模様を身振り手振りで表現し、1時間後にボードに立てた満足感で、今では趣味になったとのことです。
2つ目は、88歳になったプロカメラマンの西本喜美子さんとの番組の話です。
壇上から降り、彼女の自撮りの写真を回すように依頼してから話し始めました。日本中に知られている須田氏を椅子に縛り付け、写真を撮ってみたいとお願いされて素直に応じたとのことです。その縛られた状況を話し出すと会場からは大きな笑いが起きました。
彼女は72歳で息子のカメラ教室で学び、それから様々なアイデアを考えて自撮りの写真を撮り続けました。個展を開き、通販生活のコマーシャルに出演するなど活躍しているそうです。
この話は、我々も含め高齢者社会に勇気と感動を与えるものとなりました。
須田氏の人間性や人格が垣間見られる素晴らしい話題でした。
仕事で出会った方から次の事を手本にしているとのことです。
黒柳徹子さんからは、好奇心旺盛であること、サービス精神をもつこと。
毒蝮三太夫さんからは、人と会う時には機嫌よくやること、人に喜びを与えること。
高峰三枝子さんからは、テレビ局以外の実業家やビジネスマンと付き合うこと。
森光子さんからは、約束した時間には1番早く行くこと、お金に関係なく好きな仕事をしたいこと。
我々もこの話から学ぶ点が多いのではないでしょうか?
ここで休憩を兼ねた質問タイムになり、数名から下記のような質問がありました。
・同じ業界の人との結婚をどう思いますか?
できればしない方が良いと思うが、同じであっても、違った世界の方々と付き合うこと
をすれば良いと思います。
・移動は、どうしていますか?
車より電車で移動する場合が多いです。
・働き方改革についてはどう思いますか?
働き盛りで体力ある場合はいろいろな仕事をし、体力を使う仕事は時間を区切ってする
方が良く、クリエイティブな仕事は、時間でなく自分でコントロールできるような職場
環境になれば良いと思います。
・職場の衣装は?
男性の場合は、番組が衣装のスタイリスト会社と契約し、番組が費用を負担します。
女性の場合は、個人のスタイリストと契約し、番組が費用を負担する場合が多いです。
・フリーアナウンサーにならないのですか?
どこかに縛られたい。自分からアピールをすることが好きではないのです。
時には冗談や例え話も交えて丁寧に受け答えする様子は、さすがにプロのキャリアを感じるものでした。
ここで休憩を兼ねた質問タイムも終了し、後半に入りました。
次に高齢者向きの健康法を紹介して戴きました
週に一回ジムに行き、胃と心臓を鍛えているとのことです。
胃は固い物を食べることで活発に動き鍛えられるし、心臓はスクワットや足で押すベンチ
プレスで、程良く心拍数を上げて鍛えているというとことです。
おじいさんから依頼があり中学2年生に会ったそうです。
須田氏は、アナウンサーになりたいのかなと思っていましたが、その子は、テレビを見て
いて番組のセットを創作してみたいとのことでした。
その中学生の観察力や意気込みに感動したため、美術局の関口さんを紹介しました。
島に病院の撮影セットを創ったという話をした時は、目を丸くして聴き入り、普段は無口な子が質問もした程だったようです。関口さんはその中学生に、美術大学に入ってデザインを勉強することを進めたそうです。それからその中学生は目標に向かって勉強し、東京芸術大学大学院を卒業した話を、須田氏は自分のことのように嬉しそうに語っていました。
昨年大学院の院展があり、作品が何を意味して創作したのか分からなかったので、テーマを聞いたそうです。
・「Out of sight Out of mind」 去る者日々に疎し
目に見えないものは、気持ちが残らない
目新しい世の中の変化を見がちですが、道端に咲く花のようにいつも目にしているものの変化を大事にしたい。
須田氏はこのテーマの意味を聞いて、我々は本当に大事なことを忘れているのではないかと深く感動したそうです。
我々も時々立ち止まって生き方や環境などを見つめ直す必要があると感じています。
普段から大事にしている事として自己紹介、母親の介護、孫の成長について話されました。
自己紹介をする場合、男性は過去の実績を話さない、自慢しない、女性は苦労話をしない、など指導しているようです。
母の介護では、ほぼ毎日施設に行って笑顔になるように努力しているようです。
笑いは人の体も精神も健康にする大切な事だと感じました。
孫が運動会の徒競走で1等賞を取った時のことだそうですが、他人と比較するのではなく、孫自信が前に比べて成長したことを褒めるべきだとの事です。
それは我々の孫にも応用できるようなとても身に染みる話でした。
フジテレビの男子アナウンサーは、腕はソコソコでも性格や気立ても良いので、いろいろな番組で活躍できるようになります。生き生きと仕事ができるような環境が整えられれば、低迷しているフジテレビが勢いづくようになるだろうと願っているそうです。
テレビがどのように成長していくかは、視聴者の皆様が育ててくれる事、そしてライブでやる番組放送が増えてくれる事を願っていますと結びました。
最後に司会の盛山さんが登場し、須田氏は管理職になってニューヨークに赴任し、一回りも二回りも大きくなってよりパワーがつくようになったと話しました。須田氏からは、ニューヨークは縦社会ではないので、帰ってきてからは上下関係を意識することもなくなり、自身の意識改革ができたのではとの自己分析がありました。
盛山さんは、須田氏は誰からも好かれるので、長寿アナウンサーとして活躍できたのだと褒め称えました。
盛山さんから別れの挨拶を皆様にと促されて、須田氏は皆様との出会いが励みになり、とても嬉しく思ったという挨拶でした。
文責:南 博幸(S51法)
写真:岡田 充(S42商)