さる5月16日(土)午前11時より平成21年度定例総会が「獅子」西武ドーム店において85名の会員の出席で行われました。 平成21年度の活動方針は 1、会員の交流と親睦 2、会員間の情報、連絡網の整備 3、地域社会への貢献 の3本柱とし、具体的には 1、定例総会、新年会の開催ならびに各種同好会の立ち上げ、実施 2、ホームページの立ち上げ 3、講演会等の開催 を計画しています。
続いて、講演会が行なわれました。
今年の西武ライオンズ
太田 秀和 様(株式会社 西武ライオンズ 取締役副社長)
私は昭和50年経済学部を卒業いたしました。また計量経済学の小尾恵一郎先生のゼミを専攻しておりました。 クラブは応援指導部に籍をおいておりましたが、慶應の応援指導部は、これまで多くの他大学の応援部の指導をしてきました。数ある大学の応援指導部という名称は実は慶應の「応援指導部」という名称を継いできたという歴史があります。 私は横浜出身で西武鉄道はなじみが薄すかったのですが、その自分が国土計画に入社したのは、尊敬する応援指導部の先輩が国土計画の入社試験に落ちて、「俺の代わりに敵を打ってくれ」といわれ、試験を受けたところ受かってしまったといういきさつがございました。
3年前に西武ライオンズに籍を移りましたが、国土計画の最終ポジションは財務部長でした。折悪しく西武グループは株のインサイダー疑惑の渦中にあって、私は財務というポジションにあったため証券取引等監視委員会に呼び出され、次に参考人として東京地検特捜部で取調べを受けるという、一介のサラリーマンとしては大変貴重な経験をさせてもらいました。 この一件が落ち着いた頃、3年半ほど前に西武ライオンズの社長に就任しましたが、就任1年目は松坂選手のポスティング(競争入札制度)がありました。球団対球団の取引契約ですが、記者会見には松坂選手も確認の意味もあって同席してもらったのですが、しばらく「あれが60億円もらった太田」と言われ困った思いをしました。 翌2年目は西武球団の過去からの不祥事が明らかになり、TVカメラに追い掛け回され、随分頭を下げさせられました。一スカウトの不祥事として切り捨てることなく、球団の責任を明確にして、私は副社長に降格されました。家族は降格については何の関心もなかったようですが、給料が減ったことには不満を抱いていた様子でした。<笑い> そして3年目の昨年は日本一になり、球団設立30年目にして初めて、所沢市内で優勝パレードを行うことができました。裏方として球団を支えた功績をファンの方々から胴上げという形で認めていただいたことは大変ありがたく、思いで深いものがありました。 さて今日の本題でありますが、現在西武球団はなにをしているのかという話をさせていただきます。 実は球団とドームはこれまで経営が別個になっていましたが、昨年から経営を一本化して球団としての責任をはっきりさせることにいたしました。 私たちの目標はゲームの勝敗はもちろん重要なことですが、勝ち負けに影響されない体制作りを目指しています。 具体的には野球そのものを楽しむようなイベントを考え、企画、実施しています。たとえばゲームの終わったグラウンドにファンに降りてもらい、そこで選手と同じようにキャッチボールをしてもらったり、グランドを歩き回ったり、勝ち負け以外の楽しみ方をグラウンドで発見してもらう取り組みをしています。 また地域との結びつきを重く受け止めております。 先ほど話をしました優勝パレードは地域密着の球団として所沢市民の皆さんに認知していただけたかと思っています。 さらに2軍の公式戦では毎試合終了後に子供を対象にした野球教室をゲームの終わったグランドを使用して行っています。OBによる野球教室も頻繁に開き、ご要望があれば出張教室も行っています。指導は選手ばかりでなく第2球場で二軍コーチによる指導者講習も実施しています。 また埼玉県内の軟式野球チームのNO1を決める「西武ライオンズカップ」を主催しました。 地域との結びつきは野球にとどまらず、地元商工業会との結びつきを強めるために、各種イベントに積極的に協力をしたいと思っています。今後は現役選手が地元所沢の小学校を訪れ、食育と運動を絡めた教育支援活動も実現したいと考えています。 所沢三田会との関連でお話をしますと、現在ライオンズには、塾出身者の現役選手で長田、佐藤の2選手が在籍しております。また元選手については球団職員としては高木、鈴木が働いております。 鈴木は国際部に所属して外国人選手のスカウト、契約業務を行っています。いわば専門職でがんばっており、将来は選手上がりのトップである球団本部長を目指してがんばってもらいたいと考えています。 一方、高木は現在、球団事業部の課長をしておりますが、いろいろなところで講演を依頼されて話をしております。彼の話はシンプルで論旨明快、どこに出しても恥ずかしくない男です。高木はプリンスホテルの一従業員として朝は9時半から夜は10時、11時まで勤務するサラリーマンですが、年収もおそらく選手時代の10分の1くらいになっていますが、よくがんばっています。 高木には選手の目線というより彼のバランスのとれた能力の高さを生かして、球団の経営に携わってもらいたいと思っています。 高木、鈴木、そして現役の長田、佐藤を三田会のメンバーである皆様にはぜひ温かく見守り、応援していただければ幸いに存じます。