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歴史研究会9月例会の報告


歴史研究会の9月例会は都内目黒駅及び不動前駅周辺の歴史散策をテーマに実施した。

新規参加の志賀さん(S51法)を含め、参加者は総勢14名であった。 9月5日(水)、台風21号の影響が心配されたが、当日は台風一過、快晴、30度を超える暑い一日であった。

10時30分東急目黒線の不動前駅に集合、小さな商店街を抜け徒歩約10分で最初の訪問先、目黒不動尊に到着した。石段下の水かけ不動に手を合わせ、少し急な石段を登り大きなコンクリート製の鳥居(神仏習合の名残?)をくぐって本堂に向かった。

本堂に入り、江戸五色不動の一つである不動明王にお参りをし、その後、本堂裏手にある銅製の大きな大日如来像や縁結びの御利益がある愛染明王像を見て廻った。また、少し足を伸ばし甘藷(サツマイモ)で天明の飢饉を救った青木昆陽の墓にも立ち寄った。 (メモ)目黒の黒とは目の色ではなく、仏教上の方角を色で表したといわれている。

次に徒歩3、4分の場所にある五百羅漢寺に向かった。寺の外観はコンクリート作りのビルといった様相であったが、堂内に入るとおびただしい数の木造羅漢像に圧倒された。 本堂及び羅漢堂に計305体が安置されている。一体一体表情や姿勢が異なり、また、それぞれにありがたい教えが記されており、少し悟りを感じられる空間であった。 (メモ)羅漢像はすべて松雲元慶が十数年(1691~1710年)かけて彫造した

昼食はお寺に隣接する「らかん茶屋」でいただいた。宴会用の個室が空いていた為、貸切状態でゆったりとした雰囲気で食事と歓談を楽しめた(費用は一人1,000円)。

午後は電車で不動前駅から目黒駅に戻り、東京都庭園美術館に向かった(徒歩5分)。 この美術館は昭和8年に建てられた旧朝香宮邸にあり、室内は大正~昭和初期のアール・デコ様式が忠実に再現されている。その装飾的な居間や寝室に企画展の作品が展示され、歴史と芸術がうまく調和した室内空間となっている。企画展は「ブラジル先住民の椅子展」、アマゾンの動物をかたどった多種多様な手作りの木製椅子を展示。 (メモ)美術館の前には広い芝生の庭が広がり、横手には築山と池がある日本庭園もある。重要文化財の茶室「光華」も一見の価値有り。

最後の訪問先である、庭園美術館に隣接する自然教育園に向かった。この園は国立科学博物館付属の施設であり、他の植物園のような花壇や温室はないが、道端に生育する野草類や水性植物、また松やケヤキの古木等が自然な姿で観察できる場所である。 鬱蒼とした木々に囲まれた園内には涼しい風が吹き、各自思い思いのペースで散策を楽しみ、園内をぐるり一周、午後3時半現地で解散となった。 (メモ)自然教育園のある場所は江戸時代、讃岐高松藩松平家の下屋敷が置かれていた。土塁の跡や池が残っており、僅かに往時を知ることが出来る。

今回の例会は目黒周辺にスポットを当て、歴史を切り口に4か所の訪問先を選んだ。そこそこ有名な場所であったが観光客も疎らで、じっくりと歴史探訪を行うことが出来た(とくに五百羅漢寺の300を超える木造群は圧巻でお薦め出来ます)。

写真:岡田、南 記録:山本

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