歴史研究会の10月例会は横浜山手地区の西洋館巡りをテーマに実施した。
当日は曇り空で少し蒸し暑かったが、気温がそれ程高くなく散策するには良い天候であった。
午前11時、元町・中華街駅に集合、大出会長、新加入の若松さんを含め参加者は総勢15名。
まずエレベーターでアメリカ山に登り、定番の港の見える丘公園に向かう。あいにくの曇天の為、空、海とも鉛色の景色であったが、大桟橋に泊る巨大客船、手前には氷川丸、また2本の吊り橋等を望むことが出来た。
次に徒歩5分程度にあるイギリス館と111番館に向かう。イギリス館は英国総領事公邸として建てられ、現在はコンサートホール、集会場としても使用されている。111番館は建物だけではなく庭も見どころの一つとなっている。
昼食は外人墓地の向かいにあるレストラン「ロシュ(ROCHE)」でいただく。多くの方がシェフおすすめのデミグラスソースのかかったオムライス、ハンバーグを注文、確かに美味であった(お値段もドリンク付きで1,600~1,800円とこの地にあってはリーズナブル)。
午後は山手本通りを下りながら234番館、エリスマン邸、ベーリックホールへと向かう。これらの建物では外観のみならず、建物内部の丁寧に修復された内装や家具、レトロな調度品、また花や小物、食器を上手く用いたテーブルアレンジメントも注目ポイントといえる。ベーリックホールでは、広い居間でピアノの生演奏(クラシック)が行われており、しばし聞き入ってしまった。
途中、壮麗かつ雄大な山手カトリック教会のチャペルに立ち寄る。正面祭壇のキリスト像、また壁に嵌められた精緻なステンドグラスに圧倒された(なぜか、和服・打掛姿の女性二人の撮影が行われていた)。
山手本通りを外れ左手に坂道を下り、テニス発祥記念館に向かう。非常に熱心な係の女性からテニスの歴史の説明を受ける。また、その女性自ら明治2年にイギリス人が作曲した「君が代」の原曲を唄い、聞かせていただいた(歌詞は現在の君が代と同じ、明治12年に日本人の作曲で現在のメロディーとなる)。テニスのクラブハウスになっている68番館に立ち寄り、最後の訪問先の外交官の家、ブラフ18番館に向かう。
外交官の家は良く手入れされた裏庭から見上げる姿が素晴らしく、思わず写真に収めたくなる風景と言える。建物内部ではベーリックホール同様、ピアノの生演奏(イージーリスニング曲)が行われており、落ち着いた雰囲気を感じさせてくれる。
午後3時30分、予定していた横浜山手の西洋館すべて(7館)の見学を終了し、現地で解散となった。最寄り駅はJR石川町駅(徒歩5分)であったが、ほとんどの方が始発となるみなとみらい線元町・中華街駅まで歩かれ(徒歩25分)、直通で所沢まで座って帰ることが出来た(所沢着は5時半頃)。
今回は学生時代からデートコースとして見知っている程度の横浜山手地区を、じっくりと建物内部まで分け入って歴史を知り感じることを目的とした。一人では出来そうもない西洋館巡りを皆で行うことにより、すべてコンプリートすることが出来た。
(注意点)
西洋館の入場は無料。第二、第四の水曜日は閉館するところが多いので要注意。現地にはコンビニがないので飲み物・軽食は事前準備が必要(レストランはあるが少なく、かつ小規模)。
掲載の写真は所沢三田会写真クラブの会員でもある岡田さん、若松さん、南さんが撮影されたものです。一部でありますが是非、御覧ください。 (記録:山本)