歴史研究会の11月度例会は初めて栃木県まで足を伸ばし、
足利市周辺の歴史探訪をテーマに行った。
午前9時40分池袋駅に集合、参加者は13名であった。JR湘南新宿ライン、東武特急「りょうもう号」を乗り継ぎ、1時間40分かけて足利市駅に到着した。
そこから徒歩15分、渡良瀬川を渡って第一の訪問先「鑁阿寺(ばんなじ)」に向かった。
鑁阿寺は室町幕府を開いた足利氏のルーツとなる居館内に1196年、足利氏第二代義兼が建立し、代々足利氏の氏寺となった由緒ある古刹である。
境内には国宝の本堂、重要文化財の鐘楼、一切経堂等が立ち並び、また、平安時代後期の武士の館跡をしのばせる土塁と堀が周囲にめぐらされている(足利氏館として日本100名城に選ばれている)。800年の歴史の重厚さを感じられる場所であった。
昼食は境内の茶屋にて名物のB級グルメ、ポテト入りソース焼きそばと足利シュウマイ(中に具が入っていない‼)を食べた。事前に予約してすぐに食べられるようにしたが、作り置きの為、冷めて残念なお味となってしまった。
午後は第二の訪問先、鑁阿寺から徒歩5分日本最古の学校「足利学校」に向かう。
まず、足利学校の歴史をビデオ解説(15分)で学んだ後、「學校」の扁額で有名な学校門をくぐり、孔子廟、方丈、書院、庫裡等を見て廻った。
足利学校は儒学教育の場であった為、明治初年に役目を終え廃校となり放置された状態になっていた。現在のような江戸中期の姿に甦ったのは平成2年とのこと。建物、庭ともきれいに再建、整備されており、歴史的価値というよりも景観を楽しむ場所となっている。
(メモ)足利学校の創建については、奈良時代の国学の遺制説、平安時代初期の小野篁説、鎌倉時代初期の足利義兼説と諸説がある。
足利学校を出て暫く歩いてJRの足利駅に向かい、そこからタクシー4台に分乗して最後の訪問先「栗田美術館」に向かった(乗車時間15分程度)。
栗田美術館は伊萬里焼、鍋島焼のみを収蔵する世界最大級の陶磁美術館である。
三万坪の広大な敷地に本館、資料館、歴史館等の展示施設が五か所点在し、そのスケールの大きさと展示物の多さに圧倒された。見学時間をたっぷり二時間とり、すべての展示施設を廻りくまなく作品を鑑賞することが出来た。また、少し色付いた木々を見ながらの散策路も魅力的であった。
最後は陶磁会館の喫茶室でコーヒーブレイクを楽しみ、午後4時20分見学を終了、往きと同様タクシーに分乗し同美術館を後にした。
(メモ)栗田美術館の特色は江戸時代(1603~1867年)に肥前鍋島藩で生産された伊萬里焼、鍋島焼のみを展示している点である。オランダ東インド会社によって輸出された極彩色の大壺も逆輸入され展示されている。
帰りは東武足利市駅から特急「りょうもう号」、東武伊勢崎線、武蔵野線を乗り継ぎ、計画通り午後7時、所沢に戻って来ることが出来た。
今回は往復4時間の長距離移動となったが、それだけの時間と費用をかける価値ある歴史、芸術の小旅行であったと自負しています。とくに、鑁阿寺と栗田美術館は必見です。ぜひ、立ち寄られることをお勧めいたします。
(写真:若松、記録:山本)