去る5月17日から一週間、5年振り7回目となる海外第九公演にイタリアへ出掛けた。
今回の公演の地となった「ペーザロ」は日本人には比較的なじみが薄い町であるが、
①地理的には、長靴型をしたイタリア半島の脚のふくらはぎ辺りに位置し、アドリア海に面した古い港町で、近年は海水浴場としても人気があり、②文化的には、「セビリアの理髪師」などを作曲したロッシーニの生誕地で、毎年8月ロッシーニ・オペラフェスティバルが
ロッシーニ歌劇場をメイン会場に開催されることでオペラファンには馴染みが深い町である。 (写真 ペーザロの海岸、ロッシーニ像)
演奏会は5月19日(日)午後7時、ロッシーニ歌劇場の平土間席から桟敷席まで800席を満席にして、マエストロ・平井秀明氏、オーケストラ・ロッシーニ歌劇場管弦楽団、日伊米特別合唱団90人(日本から49人、地元イタリア+米国ロスから41人)により開演した。
(写真 歌劇場内オケリハ、 本番直前正装)
第1部はヴェルディの歌劇アイーダより「凱旋行進曲」と歌劇ナブッコより「囚人の歌」を、第2部はベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付」を、アンコールには平井マエストロ自作 の「アヴェマリア」(2018年10月ローマ法王とバチカン市国に献呈)を歌った。
今回初めてイタリア人と共演したのだが、根っから陽気なお国柄か?彼らはヴェルディを歌う時とベートーヴェンを歌う時と、まるで別人のようにテンションが違うのだ!
特に「第二のイタリア国歌」といわれるヴェルディの囚人の歌の歌い出し「Va’ pensiero!」では「ここは俺たちにまかせろ!」みたいなオーラいっぱいの歌いっぷりに驚いた。
また、今回音楽を離れての旅程では、ペーザロ(作曲家ロッシーニ生誕地)→ウルビーノ(画家ラファエロ生誕地)→アッシジ(カソリック信者巡礼の聖地)→ペルージャ(古都中の古都、丘の上の街)→フィレンツェ(ルネッサンス文化発祥の地)、といずれも世界遺産の町歩きを堪能し、充実した5泊7日の旅であった。
写真 【Urbino】 町の遠景、ラファエロ生家、三ツ星レストランNENEの前菜パスタ
【Assisi】 サンフランチェスコ修道院
【Perugia】 サンロレンツォ大聖堂
【Firenze】 ベッキオ橋、ウフィツィ美術館・貝殻のヴィーナス(ボッチチェリー)
聞くところでは、2020年の東京五輪・パラリンピックで所沢市がイタリアのホストタウンになったそうであり、これも何かのご縁かもしれない。
最後に、年末恒例の「所沢で第九を」演奏会のPRをひとこと。
今年第37回となる所沢第九演奏会は、会場のミューズが改修工事中の為、所沢市民体育館で12月28日(土)に市内合唱団の協力を得て、例年の2倍の500人の大合唱団によって開催される予定です。入場無料ですのでぜひご来聴頂きたいと存じます。
また、所沢三田会会員の中にも所沢第九の経験者が4名ほどおられます。ぜひ今年のステージに上がって頂けたら幸いです。
【私の海外第九公演履歴】
2010.03.29 ウィーン楽友協会大ホール ベートーヴェン生誕240周年 指揮:田久保裕一
2011.12.30 リューネブルク・聖ヨハニス教会 日独交流150周年 指揮:Michael Theus
2012.06.19 ウィーン楽友協会大ホール 楽友協会設立200周年 指揮:飯森範親
2013.04.10 ベルリンフィルハーモニーホール ベルリンフィルホール開設50周年 指揮:小松長生
2013.12.26 ニューヨーク・カーネギーホール 日米親善交流 指揮:平井秀明
2014.06.05 ジュネーヴ・ヴィクトリアホール 日ス国交樹立150周年 指揮:小松長生
2019.05.19 ペーザロ・ロッシーニ歌劇場 歌劇場2018‐19公式プログラム 指揮:平井秀明
【私の所沢第九合唱履歴】
2004.12.19 第22回定演 第九デビュー(63才)
(この間2015年を除き15回中14回出演)
2018.12.02 第36回定演 直近出演(77才)
2019.6.26 中垣 肇(S40法学部卒)