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歴史研究会9月例会の報告


まだまだ残暑の中、山種美術館で歴史的名画の数々を鑑賞し、その後、ビールの歴史を学び、恵比寿ビアステーションで暑気払いをしました。

  • 参加者:14名

  • 集 合:9月4日(水)午前11時15分、JR恵比寿駅東口に集合

  • 解 散:18時過ぎ、恵比寿駅にて解散

◆ ランチタイム:『つばめグリル アトレ恵比寿店』

先ず、集合後にランチです。恵比寿駅ビルのアトレにある『つばめグリル アトレ恵比寿店』という洋食屋で、皆さんはそれぞれ好みの洋食を注文されました。

つばめという名前の由来は、“特急つばめ”との事です。“特急つばめ”が最初に東京駅を出発したのは、1930年(昭和5年)10月1日でした。当初、同列車は新橋に停車していたのですが、やがて新橋にも停車しなくなりました。その為、新橋駅寄りにあった洋食屋は、“特急つばめ”を惜しむ地元の人々の声に押され、“つばめ”の名を後世に残すべく、“つばめグリル”と命名されました。

このお店で一番お奨めなのは、一番人気の創業以来手作りの名物、『ハンブルグステーキ』です。アルミホイルで包まれふっくらと膨らんだまま、お客に提供されます。ビーフシチューとハンブルグステーキを組み合わせて、包み焼にすることで、より旨味が凝縮され絶妙に絡み合い、とても美味です。

◆ 第一視察先:『山種美術館』

恵比寿駅から都バスにて5~6分ほどの乗車で広尾にある山種美術館の近代的なビルに着きます。

山種美術館は、山崎種二(1893~1983:山種証券【現SMBC日興証券】創業者)が個人で集めたコレクションをもとに、1966年(昭和41年)7月、東京・日本橋兜町に日本初の日本画専門美術館として開館しました。

種二は「絵は人柄である」という信念のもと、横山大観(1868-1958)や上村松園(1875-1949)、川合玉堂(1873-1957)ら当時活躍していた画家と直接交流を深めながら作品を蒐集し、奥村土牛(1889-1990)のように、まださほど知名度は高くなくとも将来性があると信じた画家も支援しました。そして、「世の中のためになることをやったらどうか」という横山大観の言葉をきっかけとして、美術館を創設するに至ります。

その後も、二代目館長・山崎富治(1925-2014)とともに、旧安宅コレクションの速水御舟(1894-1935)作品を一括購入し、東山魁夷(1908-1999)らに作品制作を依頼するなど、さらなるコレクションの充実を図りました。こうして収蔵された作品は現在約1800点を数えます。

山種美術館は、設備の老朽化に伴い2009年10月1日、渋谷区広尾に移転して新美術館をオープンしました。そして、広尾開館10周年を記念して、このたび、近代日本画を代表する4人の画家、横山大観(1868-1958)、菱田春草(1874-1911)、川合玉堂(1873-1957)、川端龍子(1885-1966)の作品を一堂に展示する展覧会を開催しました。日本画の歴史的推移とトップクラスの日本画を鑑賞するのが趣旨です。

大観・春草・玉堂・龍子はいずれも、伝統をふまえながら新しい時代に即した絵画を模索し、日本画の発展を導きました。一方で、彼らの主な活動の場は異なっています。大観と春草は日本美術院において、さまざまな技法や表現を試み、革新的な日本画を生み出しました。玉堂は官展を中心に活躍し、日本画における風景表現に新境地を拓いています。また、龍子は、再興日本美術院を脱退して自ら主宰する青龍社を創立、大画面の迫力ある作品を発表して画壇にインパクトを与えました。これら4人の画家に焦点をあて、彼らの画業をたどりながら、近代日本画の歩みを振り返りました。

さらに第二会場では、晩年の大観・玉堂・龍子の3人による松竹梅展(1955-1957年:画廊「兼素洞」で開催)も目玉です。松竹梅展は山﨑種二の希望により企画された展覧会でした。

◆ 第二視察先:『エビスビール記念館』

ブラブラと坂を下りながら、恵比寿駅に10分程度で到着し、その後、駅ビルから自動歩行歩道を通り、恵比寿ガーデンプレイスへ行きました。そこは元エビスビールの工場跡地で、現在は一大複合商業施設と住居とホテルが一体となった場所です。その奥にあるのが『エビスビール記念館』です。

1890年の発売以来、第二次世界大戦による中断はあったものの、時代を超えて愛飲されているヱビスビールが生誕120年という事で、それを記念して2010年2月に本館がオープンしました。本館は、日本国内では珍しい、単独商品のブランドを冠した施設であり、ヱビスビールのファンのみならず、ビール好きが十分に楽しめる施設でした。女性ガイドが付くツアーに参加し、ビールの歴史等を勉強しました。

最初のビールはコルクで栓がしてあったこと、単独商品名が駅名や地名となったことなど、トレビアの連発でした。さらに、通常のエビスの瓶ビール表面についているラベルのエビスさんは、鯛を一匹抱えており、都合1匹の鯛が描かれています。しかし、数十本に1本の割合でエビスさんが担いでいる魚籠(びく)に、実は、もう1匹、鯛が入っているのがあり、都合2匹の鯛が描かれているのです。見つけられたら、『とても縁起が良い』との事です。皆さん、ぜひ探してみてください。

ツアーの後は楽しいテイスティング・タイムです。先ず、下面発酵のピルスナー・ビールの傑作であるエビスビールをハーフ・パイントいただきました。次に、新発売の上面発酵エールの琥珀エビスをハーフ・パイントいただきました。

最後に、女性ガイドからカンビールのおいしい入れ方を教授されました。先ずはゆっくりと少し高めから、ビールをコップに落とすように注ぎます。そうするとコップは泡で満たされ、泡と液体の比率は1:0です。しばらく置いておくと、泡と液体の比率が1:1になります。次に、ビールを再びゆっくりと継ぎ足します。再び泡で一杯になりますが、今度は泡:液体=3:7になるまで待ちます。そして再びカンの残りを全て継ぎ足します。そして、泡:液体=2:8の状態になったら飲みごろです。泡はちょっとやそっとではこぼれないほどクリーミーになります。そして、ビールにつきもののエグミやニガミといったものが消え失せ、とても美味しくなります。ぜひ、皆さん、お試しください。しかし念のため、このやり方の最大の欠点は、すぐに飲めないという事です。

ちなみに、女性ガイドを含むツアー参加者全員による勝ち抜きジャンケンで、幹事役の志賀さんが勝ち抜き、女性ガイドが美味しく入れてくれたビールを飲む権利を獲得しました。従って、志賀さんはみんなよりハーフ・パイント1杯分多く飲むという光栄に預りました。

◆ 暑気払い:『恵比寿ビアステーション』

恵比寿ガーデンプレイスの一角にあり、ヨーロッパ調の赤レンガの建物は雰囲気もなかなかです。ヱビスのいろいろなビールが楽しめるほか、ビールのカクテルやワイン、ウイスキーなど、飲み物が豊富でビールが得意でない人も問題なく楽しめるビアホールです。料理の基本はドイツ料理で、ビールにピッタリでした。

ところが、最初は当然ビールでスタートしたものの、途中から場はワインが主体となっておりました。エビスビール記念館のビールテイスティングで、すでに都合1パイント飲んでしまってからのスタートだった為かなと思いました。

記録:幹事 伊藤芳康(S51経)

写真:幹事 南 博幸(S51法)

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