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新型コロナウイルス雑感

古賀誠一(S44商)


今世界は正にコロナウイルスの支配下にあります。

今年の流行語大賞は、新型コロナウイルス関連の言葉が取り上げられるのではないでしょうか。

クルーズ船内での感染発生の当時は“少々厄介な感染症だな”とは思っておりましたが、タレントの「志村けん」が不調を訴えた直後に意識を失い、ECMO(体外式模型人工肺)の治療の効果もなく極々短期間で亡くなり、対面すら叶わなかった彼の肉親に骨壺だけが届けられた、という報道に接して“更に何か得体のしれない大事が起きるのでは”と大いなる不安に駆られました。年老いた我々夫婦はともかくも、先のある息子夫婦と孫達はどうなるのだろう。我が国はどうなっていくのだろう。そう心配をも致しました。

今回の新型コロナウイルスは、十数年前に中国で発生したWHO認定のSARS(重症急性呼吸器症候群)系ウイルスの二番手と同型の三番手だそうですが、この二番手のウイルスに十数年間取り組んできた世界の研究陣はそのワクチン化を断念したとも伝えられているとか。

今現在は新型ウイルスワクチンの開発を各国で競い合いながら進めているようですが、ウイルス遺伝子の変異が早いためその対応が難しく容易ではないようです。

何れは体内の抗体化が進み感染は鎮静化していくのでしょうが、秋から欧米では第2波が始まり再度ロックダウンをする国も出てきています。この感染状態からして終息には数年を要するとの見方をする専門家もいます。油断なりません。

それにも拘わらず、最近は、人々が集まる所では若い世代の人達を含め、マスクをすることもなく大声で話している方々を結構目にするようになりました。皆さん“心に”コロナ抗体が出来始めたようす。

今年の私の手帳を眺めてみますと、1月から2月半ばの間は、旅行・食事・呑み会等の外出で結構埋まっておりましたが、3月からは予定が全て中止、延期と赤ペンで記されています。外出は、散歩、日用品の買い物、持病の定期健診ぐらいのもの。今はともかく、一時は電車での外出が不安で毎月の墓参りも滞り気味でした。

このいわゆる巣籠り状態の数ヶ月をどう過ごせばよいか暫し考えていた時、退職時にも同様のことを考えていたことに気が付きました。家事を手伝い、テレビを見、本を読み、昼寝をし、酒を飲み、飯を食う、ただそれだけで良いのかと。

その時は退職後に是非やりたいことを幾つか紙に列記しました。その一つが自分史を作成することでした。ごく平凡な人生をおくってきた自分自身の“姿”を残しておきたい。子供や孫たちに伝えておきたい。その一念で集中して取り組み、取敢えず半年程をかけて一気に書き上げました。

緊急事態宣言がなされた今年の5月のある日。納戸の整理中に自分史作成の参考にした手帳と日記帳類を見つけました。

 「そうだ!これだ!」と閃きました。“巣籠り”が無ければまず取りかかることはなかったでしょう。まれに見る悪筆の持ち主の私は、この機会にこれらをパソコンに取り込み印刷して自分史の付属資料にしようと考え行動に移しました。

パソコンに打ちこんでおりますと、往時の上司、同僚、社外の関係者との互いの生々しい“やりとり”や家族の“日常生活”等が鮮明に思い浮かんできました。感傷に耽ることもあります。その時は、今でも付き合いのある職場の仲間達にメールや電話で往時に触れ、“そうだそうだ、いやそうじゃないよ”と、一昔の時代に戻ります。酒を酌み交わしながらではなかったのは残念でしたが、“巣籠り”も捨てたものではないなと実感しているところです。

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