top of page

歴史研究会10月例会 川越市街探訪

去る10月16日(水)に歴史研究会10月例会としてお隣にある歴史の街、川越市街を探訪してきました。川越市は平安初期から江戸時代にかけて永々と続いて来た多くの史跡が残る街です。


コースは本川越駅をスタートして、中院→ 仙波東照宮 →喜多院 →ランチ「天沼」→川越城本丸御殿 →川越市立博物館→時の鐘→大正浪漫夢通り→蓮馨寺を訪ねて本川越駅にいたる1日コースです。


皆さんそれぞれに来たことがある所でしたが今回のようにまとめて探訪すると新しい発見があり、また、理解が深まる所もあって有意義な一日になりました。


Ⅰ.中院

閑静なたたずまいをみせる天台宗の寺。天長7年(830)、慈覚大師円仁により創建。 元は星野山無量寿寺の北院(喜多院)、中院、南院のひとつ。島崎藤村の義母加藤みきの墓が あり、境内に不染亭という藤村ゆかりの茶室が立つ。「河越茶・狭山茶発祥の地」としても知られている。




Ⅱ.仙波東照宮

元和 2 年(1616 年)に薨去した祭神の法要は、久能山から日光山に改葬される際の元和3年(1617年)に、江戸幕府の「黒衣の宰相」と称された天台宗の僧侶・天海によって 喜多院で行われ、後水尾天皇から 東照大権現の勅額が下賜され、同年にその地に天海によって創建された。童謡『あんたがたどこさ』発祥の地とも言われる。



Ⅲ.喜多院 慈恵堂(県指定有形文化財)

平安初期の天長7年(830年)、淳和天皇の命で円仁(慈覚大師)が天台宗の教えを東国に 広めるために無量寿寺として開創したのが始まりとされる。当時の無量寿寺は阿弥陀如来を本尊として、不動明王・毘沙門天を脇侍として祀った。その後、平将門の乱や比企の乱によって、無量寿寺は衰退するが鎌倉時代後期の永仁4年(1296年)に、伏見天皇の命により天台宗の川田谷泉福寺の中興三世の僧侶であった尊海僧正が関東天台宗の本山として再興した。



Ⅳ.鐘楼門(重要文化財) 慈眼堂(重要文化財) 山門(重要文化財) 多宝塔

慶長4年(1599年)、徳川家の尊崇が厚かった天海僧正が第27世住職として入寺し、寺号を喜多院と改めた。川越藩主となった老中・酒井忠利は喜多院の再興に当たった。慶長18年 (1613 年)には徳川秀忠の関東天台法度により関東天台総本山と定められ、500石の寺領を賜った。また、山号も東の比叡山を意味する「東叡山」に改められ、ますます隆盛を誇ることになる。

川越大火で山門と経蔵以外の伽藍を焼失するが、翌年、徳川家光の命で、江戸城紅葉山御殿の一部を移築した。これが今に残る客殿、書院、庫裏であり、これらを運ぶために新河岸川の舟運が開かれた。4代将軍・徳川家綱は200石を加増し750石・寺域48,000坪の大寺と なり、徳川家に厚く保護され隆盛した。



.五百羅漢

「日本三大羅漢」の1つ、五百羅漢は天明2年(1782年)から文政8年(1825年)の半世紀 にわたって建立されたもので、538体の石仏が鎮座する。石仏はすべてが異なる表情・ポーズ であるが、深夜、羅漢の頭を撫でると1つだけ温かいものが必ずあり、それは亡くなった親の顔に似ている、という伝承が残る。越前松平家の流れを汲む松平大和守家の川越藩主(川越で逝去した松平朝矩から松平直侯 まで5人)の廟もある。江戸城にあった建物は川越に最も多く現存している。1638年(寛永15年)の川越大火で焼失した際、3代将軍徳川家光の命で江戸城の建物が移築された。客殿には徳川家光誕生の間と言われている部屋があり、家光の乳母春日局の間を含む書院、庫裏も移築されている(全て国の重要文化財)。



.川越城本丸御殿

武蔵野台地の北東端に位置する平山城。1848年(嘉永元年)に建てられた本丸御殿の一部が 現存する(埼玉県有形文化財)。かつての城は、現在の初雁公園から川越市役所に至る広さであった。大半は失われ、二の丸跡は川越市立博物館・川越市立美術館、三の丸跡は埼玉県立川越高等学校となっているが、高校の南に、小高い丘の「富士見櫓」跡(埼玉県指定史跡)が残り、頂に御嶽神社と浅間神社が建っている。天守はなく、宇都宮城の清明台櫓と同様に、城の中で一番高い所にあった富士見櫓が天守の代わりをしていた。富士見櫓は三層であった。

明治に入ると廃城令で多くの建物は解体され、現在残る建物は玄関・大広間部分と家老詰所のみとなっているが、本丸御殿大広間は川越城の他には高知城にしか現存せず、全国的に見ても貴重な遺構である。





                       文責:小野 哲生(S39経)

                       写真:南  博幸(S51法)

Comments


最新記事
カテゴリ
アーカイブ
ソーシャルメディア
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square
bottom of page