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秋のイベント雑感


山本健(S32政)
山本健(S32政)

 少しずつコロナが落ち着き、所沢三田会がサポートする地域イベントも賑わいを見せている。ミューズ大ホールで主催するチャリティーコンサート、ピアノコンサートがメインで、さらに講演会が大小2回、また応援するコンサートも二回おこなわれた。


十数年前2〜3名で声かけをして始めたこの会が、単なる同窓会でなく、このように地域の皆さんと共に文化を楽しめる主体になることは感慨深い。参加したイベントが更に充実し有意義となることを願い、自分なりの感想を記したいと思う。



 

所沢チャリテイーコンサート R4/10/17

一月のピアノコンサートは初めての大ホールでの催しであったが、ほぼ満席の観客と連弾の迫力、曲目の感動もあわせ大いに盛り上がったと言う。コロナを跳ね返す敢然とした姿勢も共感を呼んだと思う。


これに引き続いて秋の大ホールチャリティーコンサートは三田会カラーと地元密着を混然とした音楽イベントとして注目された。行政、学校の応援を得、主演楽団とコーラスの提供で障がい者等の無料入場で盛り上げる企画であり、この段取りへの当事者の努力は顕著であった。私自身自分の所属する地元ボランティア団体に呼びかけ寄付協力と当日の手伝いを6名同行した。

他のボランティア会や有志所沢三田会員を含む40数名の会場手伝い員がそろったのは壮観であり、心強く思った。



定刻、所沢三田会会長自身の司会で始まった。会場内は二階席も解放したため、定員の三分ほどの入りであり、残念ながら寒々とした雰囲気であり、市長のガンバロウコールもむなしく響いた。三田会会員席にいる十数人、最後列の障がい者十数人以外は任意の年配者が多く、どういうお客様かは不明であった。

冒頭の楽友会のコーラスは私達が往時きいていたダークダックス系の男声合唱に引き換え、ボーイソプラノ風に澄み切った音を聴かせてくれことに感じ入った。重ねられる長音は耳に残り心地よかった。二部の演奏はいよいよ地元の吹奏楽団であり、身近な音楽仲間の真剣な演奏に聴き入った。当地曲目などで親しみやすく落ち着いた雰囲気もでき、少人数なりの親和性も生まれ温かく演奏を楽しむことができた。最後に皆で故郷を合唱し盛り上げる企画であったが、この曲の基音が高く、歌えなかった。結局コーラスが歌い、次のアンコールも受けてもらえず、あっけなく終わり心残りであった。帰路の観客は出演者の挨拶もなく出口付近での寄付金募集コールを浴び気の毒に思えた。


一抹の不安のあった所沢三田会の集客力が世間一般の期待に応えられなかった。予想入場者に遥かに及ばず、演奏者への励みを減じたかと危惧する。一会員としても責任を感じると同時に、次への反省点として、三田会全員一致の協力の必要性を痛感した。

終了後スタッフ127名の集合写真を撮る(所沢三田会 会員十数名)。ともあれ運営面は無事終り、達成感のある表情とアークホールの芸術性が相まって素敵な構成画像である。






 

クラネスコンチェルトハウス管弦楽団 R4/11/4


三戸素子氏の率いるこのオーケストラはコロナ禍にもめげず地元での公演を重ねてきた。所沢三田会はその都度地元応援の意味で入場券販売や会場運営に協力してきた。今回は少しコロナも落ち着き管楽器も揃え十分な準備を持って臨んだと言う。会場は小オーケストラに最善のキューブホールで三方から見守る観客の中熱演を奏でてくれた。とくに前回より格段のまとまりが感じられ、怯まず潔い小沢指揮者の新しいリードが指先呼称のごとく音色の派生につながり圧巻であった。作り出す音はさすがプロと思う細く長い正確な響きを伝えてくれその抑揚に身を委ねた。近くにいると若手演奏者の汗が飛ぶのが見えその滴を追う。迫真渾身の演奏は終了した時の見事な達成感の仕草に現れていた。

同行した友人も「あのやり切った表情が良い」とつぶやいた。自分はクラシックは門外漢でありわからない部分が多い。それゆえ最後のアンコール曲でわが所沢三田会所属の吉田氏がフルートで鳴らした鳥の声やファンファーレには素朴な一体感をおぼえる。気持ち清々しく帰途に着いたが願わくはコロナ後には出口での演奏者との交流があるといいと思った。そして長年所沢三田会会員が応援してきた地元楽団が安定した文化浸透に役立ちこのように盛り上がってきたことを誇りに思う。

会の存在意義と合わせ喜ばしい事である。




 

日本ユダヤ比較文化論  久保田修介氏 R4/11/17

 以前ハンガリーで日本との共通点を聞いたことがあり、塩が共通語であったり文法的文字配列の同一性や赤子に見る蒙古斑が同様に発生することなどを教わった。東欧に日本文化との交流があったことが人間的な一体感として当地の選手と共有したことを覚えている。同じようなルートで古代ユダヤ人との関連が存在するのは今世界をリードする頭脳がユダヤルーツに発することが多いことも併せ興味深いと思い出席した。

 日常の我々とはかけ離れ、一見つまらなそうな表題にもかかわらず、公民館ホールは大勢の聴講者で埋まった。会場入り口で45ページになる分厚いコピーをいただきこれに沿った講義内容は甚大なもので、その斬新な事実は迫力が有った。

画期的な内容は事によれば日本を動かすような壮大なものであり、この知識は貴重なものとなりうると感じた。

当摩会員の司会で進行し一時間半で終了したが年配者の多い参加者のうち特に指導的立場の人には今後十分役立つ話だったと思う。前回コンサート同様当会の文化的役割が果たせた満足感を持ち帰路とした。

 



 

初代平塚会長が所沢三田会が地域文化に寄与することは意義深いと述べていた。

今回秋の3イベントに連続して参加しこの言葉を再認識した。全国でも屈指の文化都市をめざすこの所沢市で、単なるエンタメだけで無く文化知識を高め芸術をめでるきっかけを作っている事に誇りを思う。仲良し同窓会である所沢三田会がお互いよく話し合い協力し、従来積み上げてきた慶應義塾の知性教養をもとに地元社会と相俟って進むことを望みたい。

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