歴史研究会 10月例会報告 「新撰組の故郷を訪ねて」
- tokorozawamitakai4
- 10月3日
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10月1日(水)、朝8時45分、所沢駅に会員8名(田中さん、盛山さん、黛さん、岡田さん、柳さん、安藤さん、初参加の坪井さん、南)が集合。東村山駅で西武拝島線に乗り換え玉川上水駅から多摩モノレールに乗り換え、一路高幡不動駅へ向かった。モノレールは初体験の参加者も多く、「柴崎体育館」「甲州街道」といったユニークな駅名に笑いが起こり、雨模様にもかかわらず車窓からの眺めを楽しんだ。
まず訪れたのは高幡不動尊(金剛寺)。平安時代に慈覚大師円仁が開山したと伝えられ、関東三大不動の一つに数えられる古刹である。江戸時代には甲州街道を往来する旅人の守護寺として栄えたが、新撰組副長・土方歳三の菩提寺として知られるようになった。
境内には土方歳三の銅像が建ち、また「殉節両雄之碑」は戊辰戦争に斃れた歳三と井上源三郎を顕彰している。歳三は戊辰戦争函館戦役において、最後まで旧幕府軍の指揮をとり戦死したが、その忠義と剛勇の生涯は、今なお多くの人々の心を惹きつけてやまない。
私たちも歳三像に参拝し、江戸から明治へと移り変わる時代に命を賭して生きた新撰組隊士たちの魂に思いを馳せた。
参拝後には雨脚が強まり、11時前に門前の「そば処 開運そば」に駆け込み早めの昼食。寺院にちなむ名を持つ店であり、江戸以来の風情を残す門前町に溶け込む佇まいであった。全員が恵比寿生ビールで乾杯し、美味しいそばを囲みながら、世間話やお互いの近況など懇親を深めた。

食後はバスで約15分、「新撰組のふるさと歴史館」へ。ロビーでは学芸員の方の厚意で集合写真を撮っていただき、一同、貴重な記録を残すことができた。ここは日野市が新撰組の史跡を保存・紹介する拠点施設である。新撰組の母体となった「試衛館道場」の同志募集に深く関わったのが、日野宿名主・佐藤彦五郎である。彦五郎の義弟こそ土方歳三であり、また井上源三郎も日野の出身であることから、日野は「新撰組のふるさと」と呼ばれている。
館内には土方愛用の品々、書状の複製、日野宿の宿場模型などが展示され、当時の人間関係や地域社会の中で新撰組がいかに育まれたかが伝わってきた。
本来であれば、続いて日野宿本陣を訪れる予定であった。日野宿本陣は甲州街道の要衝に位置し、幕末には佐藤彦五郎をはじめとする名主層が新撰組を支援した場所である。しかし、当日は雨模様のため、やむなく訪問を断念した。これは次回例会への楽しみとして残されることとなった。
文責:南 博幸(S51法)
写真:岡田 充(S42商)
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