去る12月6日(水)に12月例会として歴史研究会の幹事でもある伊藤芳康(S51経)会員による講座を新所沢公民館にて開催しました。
今回は歴史研究会所属の13名と所沢三田会会員からも4名参加しました。講座のテーマは『歴史上初の日米軍事作戦 東日本最震災トモダチ作戦』でした。
東日本大震災は2011年3月11日14時46分にマグネチュード9.0の大地震により死者15,000人、行方不明者7,500人、負傷者5,400人、避難生活者125,000人と大被害を受けました。そして未曾有の大津波により福島の原発もメルトダウンし放射性物質も拡散されたり、東北から関東に及ぶ大災害となりました。
自衛隊による支援活動がいろいろと報道されたのは周知の通りですが、この日米共同活動のトモダチ作戦についてはあまり報道された記憶はありませんでした。
本題に入る前に地政学上日本がいかに重要な位置に存在していること、それは日本を取り巻く中国、北朝鮮、ロシアなど権威主義国家群の野望を防ぐためにアメリカは日本を最重要視しており、日米安全保障条約の重要性など解説がありました。
今後、台湾有事があった場合には日本も有事となる危険性があり、益々日米安全保障条約の重要性を認識しました。
本題の『トモダチ作戦』は歴史上初めての日米合同軍事作戦であり、支援活動以外に監視活動をしていたことはあまり知られてなかったように感じます。
権威主義国家群が不穏な動きがあるとの情報をキャッチし、被災した太平洋側に空母ロナルドレーガン打撃軍だけでなく日本海にも空母ニミッツ打撃軍を派遣し警戒にあたっていたという事実には驚きです。
米軍は横田空軍基地を作戦司令本部として日米共同軍事活動を実施しました。福島第一原発事故の初期対応にも携わり、ピーク時には米軍24,000人と艦船24隻、航空機189機が作戦に投入されました。
作戦司令部が置かれた横田基地からは、C12J輸送機やUH1Nヘリコプターなどが被災地に派遣され、約1か月半にわたって被害状況の把握や支援活動を実施しました。なかでも津波で冠水し瓦礫で覆われた仙台空港を数か月かかるところを5日間という早さで自衛隊と連携しいち早く復旧させ、支援物資を空輸したことはトモダチ作戦の象徴的な活動です。
それは被災者にとって本当に有難い救いの手になったに違いないと思います。この日米共同軍事活動は正に日米安全保障条約の重要性と有効性を示す歴史的出来事になりました。このトモダチ作戦は日本で紹介している場所は無いようですが、アメリカではペンタゴンで知られる国防総省の戦争博物館の一廓に紹介するパネルが展示されています。
最後には伊藤さんが百数十枚にわたる膨大なプレゼンテーション資料を作成し、それも素晴らしい視覚描写と詳細な内容説明に驚き、全員が拍手喝采で終了しました。質疑応答の時間では今後の情勢や中国共産党に関する意見などにも及んで活発な意見交換が交わされました。
その後忘年会会場に移動し、歴史研究会会員13名で17時30分から2時間にわたり、美味しいイタリア料理にワインなどを堪能しながら会員同志の親睦をはかりました。
記事:南 博幸(S51法)
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