歴史研究会4月例会報告
- tokorozawamitakai4
- 4月20日
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歴史研究会は4月9日定例会を開き会員の伊藤芳康さんに「色の不思議」というテーマで色彩心理学についてレクチャーをしていただきました。
人間が毎日身に着ける衣服とその日の気分や体調がどのような関係があるのかということ、さらに猛暑が予想される今年の夏の衣服の選び方について、大変興味深い話を聞くことができました。
後半はトランプアメリカ大統領がいつもつけている赤いネクタイに話が及び、同大統領の気質、経歴、そして彼が持っている問題意識、これから行おうとしている政策などについての意見交換になりました。
歴史研究会としては久しぶりの座学でしたが有意義な時間を過ごすことができました。
伊藤さんの講演要旨は次の通りです。
「色彩心理学」
1.その日身につけたいと思う色と体調
□ 「赤」を身につけたい日の体調
エネルギーを外へ発散したくなっている時。そのエネルギーのもとは、強い欲求・強い不満で、そんな日はとにかく身体を動かしたくなる。身体を動かして、よく遊んで、よく食べて、ストレスを解消・発散させよう。赤を身につけた人はしゃべりながら怒りだすパターンが多く、そんな人の相手をする時は、静かに聞き役に回るほうがよい。
□ 「オレンジ」を身につけたい日の体調
とても元気なとき 楽しいことがあってテンションが上っているとオレンジに惹かれやすくなる。オレンジは赤と黄色の中間の色で、赤を好むときほど気持ちが高ぶってはおらず、黄色を気持ちよく感じる時よりハイテンション。人と会って話したいとか騒ぎたいときで、よくしゃべり、よく笑う。歌を口ずさんでみたり、スキップをしてみたり、とにかく上機嫌。
□ 「ピンク」を身につけたい日の体調
生命力にあふれ、身体が自然に活性化しているとき、心が”幸せ”の状態の時。ピンクを美しいと感じるときは、体調の良いときで、体調が悪い時、強い恐怖・不安があるときは絶対にピンクを身につけようとはしない。ピンクを身につけたい日は散歩やデートなど、何か気分の良いことをしたくなっている。そんな日はその要求に従ってしたいことをして、小さな幸せに浸るのがよい。
□ 「青」を身につけたい日の体調
感情的な高ぶりが無く、心が静かに安定しているとき。 また、心を安定させ、ひとつのことに意識を集中させようとしているとき、青を身につけようと思う。例えば、大事な仕事、試験に臨むとき。青でも暗い色や紺を身につける。水色を身につけたいときは、明るく自信に満ちたとき。赤系統の色と青を合わせたい気持ちのときは、心身のバランスがとれ、理想的なコンディション。暗い青や、黒と合わせたいと思うときは肉体的に疲れ気味のことが多い。
▭ 「白」を身につけたい日の体調
体調が良いときです。 白は光を反射するまぶしい色で、長時間見続けると疲れやすくなる。その白を身につけたいと思うときは、かなりコンディションが良いとき。また、何かの目標を持ち、積極的、前向きな気持ちになっていると、進んで身につけたくなる。
□ 「緑」を身につけたい日の体調
前夜の睡眠不足を引きずっていたり、ストレスで精神的に参っているとき。緑は目に見える色の中で、一番人間の目でとらえやすい領域の色。見るのが楽で、疲れにくく、無意識のうちにこれ以上疲労するのを避けようとして緑を選ぶ。また、やさしい心遣い、愛情を求めているとき、さびしいときに緑を身につけたくなる。緑には精神を安定させる働きがある。身体や精神が休息、安らぎを求めていると緑が美しく見えはじめる。
□ 「紫」を身につけたい日の体調
体調が悪いとき。紫は身体の回復機能を高める色で、なんとかして体調を立て直したいときに自然と身につけたくなる。薄紫、やさしい紫を身につけたい日は養生したい、優雅にゆったり過ごしたいと願っている。また、紫は女性ホルモンの分泌を促し、女性を美しくする色。女性が紫特に濃い赤紫を身につけるときは女性らしく見せたいと思っているとき。
□ 「茶色」を身につけたい日の体調
何となくスッキリしない重苦しいような状態のとき。病気ではないが、天気が悪く気が滅入っているような時、身体が茶色に同調しやすくなる。また、身体を休ませたいときに茶色を身につけたくなる。茶色を使うと実際にゆったりした行動をとるようになり、精神的にも安定する。こんなときは頭の回転も鈍っているので、新しいことにチャレンジしたりせず慣れていることをコツコツやった方が良い。単純作業は思いのほかはかどる。
□ 「グレー」を身につけたい日の体調
心の中に何かモヤモヤしたものを抱えているとき。悩みや不安、心の奥にある怒りを煙の中に隠しておこうとしている。体調が特に悪いということは無いので、人に調子を合わせられるし、普通の生活もできるが、物事にあまり積極的になれない。ひとつの目標をなし終えて、次の目標が見つからない不安定なとき、何かの理由で人間不信になってしまった時など、グレーを好ましく感じる。
□ 「黒」を身につけたい日の体調
精神的に圧迫してくるものと戦おうとしているとき。 人と交流して、感情がぶつかる事は避けたいと感じている。周りにプレッシャーをかけてくる人物がいると、その人を避け、また、自分自身をしっかりさせ、毅然とした態度を保つため、黒いものを身につける。また、黒を身につけたい日は体調も優れないときが多い。
2.今年も予想される猛暑へ色彩で対抗
▭ &□ ✩白・黄色 → 太陽光線を最も反射するので温度は一番低いので最も望ましい
□ &□ ✩グレー・赤 → 反射率は少し低めなのでまだ益しなので次の 望ましい部類
□ &□ ✩紫・青 → 反射率はかなり低いので 熱をより吸収する
□ &□ &□ ✩緑・深緑・黒 → 熱をほとんど吸収してしまう一番 高温グループなので避けるべし
✩外へ着ていく服の選び方が肝心。
・反射率が高く熱を持ちにくい服の色を選ばなければならない
・白系や黄色系など反射率が大きい色の物体ほど熱を持ちにくいので選ぶべき
・白い系統の物体の表面ではほとんどすべての光に対応した波長帯が反射される
✩気温が上がることが確実な日は一見カッコ良いと思われそうな黒い色の服は避けた方が無難。
✩一見涼しそうで夏らしい色なのでつい選んでしまいそうな色彩である青色や緑色も可能な限り避けた方が無難。
✩可能な限り安全な白い系統の服を着よう。
✩白いシャツは汚れやすいから嫌だという人は反射率が比較的高い黄色かグレーか赤色のシャツがお勧め。
以上
文責:小野 哲生(S39経)
資料提供:伊藤 芳康(S51経)
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